人口減少のもう一つの問題 ~核家族はもうおしまい~

さて、前回の記事では、人口が減るってどうなるのという話を書いた。

 

futurescan.hatenablog.com

 

実は人口が減ることの意味は、いろいろと広範囲に及ぶ。その中でも、セットで語られる世帯の話を今日はしたよう。

世帯数は実はまだ減ってないけど、そのうちどんどん減っていく

意外と言えば、意外な話かもしれないが、人口減少は始まっている一方で世帯の減少はまだはじまっていない。

世帯数の予測も前々回紹介した国立社会保障・人口問題研究所のHPを当たればよい。

『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(2018(平成30)年推計)|国立社会保障・人口問題研究所

 

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日本の家族類型別一般世帯数(単位:1000世帯)

グラフがちょっと細かいが、これを見てもらうと2019年に約5300万世帯まで、世帯数はまだ2%ほどだが増え続けるのがわかる。その後、緩やかに減っていき2034年に5000万世帯を割り込む。増えるスピードよりも減るスピードの方が速い。たった15年で300万世帯も減るのだ。愛知や埼玉がだいたい280万世帯なので、その減り具合もわかるだろう。そりゃあ空き家だって増えるわけだ。

 

2040年には2人以下の世帯が過半数を占める

上のグラフだと、世帯数はまだ何とかなりそうに見えるのだが、実は問題はそこではない。これを全体を100%とした世帯構造で見てみよう。

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日本の世帯構造の推移予測

恐ろしいことに「夫婦と子」の世帯が急速に減少していき、「単独世帯」が急速に増えていく。また、「夫婦のみ」の世帯も増えていく。

2040年にはおよそ4割が単独世帯になっていく。そして、夫婦のみの世帯も2割程度を保ち続ける。

つまり、1世帯当たりの人数が2人以下が過半数を占めるようになるのだ。

戦後の日本社会の象徴とすら言われ、いろいろな問題の源泉とすら言われた核家族という家族形態は、実はすでに完全に崩壊している。親と同居して老親の介護をする世帯なんて、実はほとんどないのだ。

簡単に想像できる問題

世帯の人員数が2人を切るということは、つまり、家に人がいない可能性が高まるということだ。単身者の場合はいわずもがな、2人世帯でも、今後、高齢者のシニア雇用が増えていくと、2人とも家を空けているということはいくらでも出てくる。

そうなるとまず、ホームセキュリティのニーズは非常に高まるだろう。何せ、家が空いてる時間が1日の大半になったりするのだ。何もしなけりゃ泥棒入り放題だ。この辺はIoTとの絡みで、今後話していきますかね。

あと、宅配業界はかなり危機感が高まる。なにせ、今でもすでに再配達の問題に宅配会社は悩んでいるのだ。今後、物流はどんどんBtoBからBtoCへと変化していく。そうなると、留守宅ばかりの家にどう配達していくのか、効率化をはかるか、それとも宅配ボックスなどの別解を用意するのか。このあたりの問題についてもおいおい話していこう。

 

ということで、今日は世帯の話でした。

ついでにこれも関連するニュースを貼っておこうか。また日経の有料記事だけど、これが一番詳しいから。

www.nikkei.com

次は、空き家率の話でもしますかね。

日本の人口は、何がやばいか。

3人に1人が高齢者になる社会。

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日本の人口推計 単位(千人)

このグラフを読んでいただいて、注目点はいくつかあるけど、一番注目するべきは赤い折れ線グラフだ。

これはいわゆる高齢化率というやつだ。

国連は高齢化率を元に以下のように定めている。

実は日本はすでに1970年には高齢化社会になっている。その後、このグラフにあるとおり、1995年にみごと14%を超えて、高齢社会になっている。そして、2007年に21%を超えて、超高齢社会になった。これは先進諸国の中でもぶっちぎりの1位だ。そして、そのまま順当に高齢化率は伸び続けている。

2036年には3人に1人が65歳以上になる予定だ。もはや、超超高齢社会といって差し支えない。(そもそも、国連もそこまで考えてないので、そんな定義はないが)

つまり、電車に乗って、7人がけのシートに座ったら、2人以上は間違いなく高齢者になってしまうのだ。

 

高齢化社会の何がやばいのか

3人に1人というのはあくまで全人口の中での比率だ。社会保障の少ないながらも0~14歳の子どもがいるわけで、よく注目されるのは15~64歳だ。これを生産年齢人口という。このグラフの2015年と2040年で比べてみよう

  • 2015年 生産年齢人口:772.8万人 65歳以上:338.7万人 
  • 2040年 生産年齢人口:597.8万人 65歳以上:392.0万人

生産年齢人口で65歳以上の人口で割ると、2015年は2.282040年は1.52になる。

これがよくいう「○人で1人の高齢者を支える」というやつだ。2015年は約2.3つまり、ほぼ、5人で2人を支えられるところが、2040年は約1.5、つまり、3人で2人を支えなくてはならないということだ。

高齢化社会で、社会保障がやばいと言うのはこういうことだ。

 

なんでこんなことになっているのか。

なんで高齢化が進んでいるかといえば、2010年ごろから団塊の世代高齢者になり、2036年から団塊ジュニア高齢者になるからだ。

いちばん、まずいのは団塊ジュニア高齢化だ。団塊の世代高齢化しても、まだ働き盛りの団塊ジュニアがいたから何とかなっていた。団塊の世代、結婚して子ども生んでよかったねということだ(厳密に言えば、団塊ジュニア団塊の世代の子供じゃないんだけど)

団塊ジュニア団塊ジュニアジュニアを作れなかった。なんでか言ったら、いろいろ要因があるが、団塊ジュニアが結婚するころに日本が不景気ど真ん中に入ってしまったせいで、結婚できなかった人が山ほどいたってのが大きい。まあ、この辺の話は、おいおい書くとしよう。

 

日本の人口はいつ1億人を割るのか

日本の人口は減っている

当たり前の話だが、すでに日本の人口は減りはじめている。

ちょうど、こんな記事がバズっていた。

togetter.com

で、数十年後って、いつなのか。これくらいは基礎知識なので覚えておきたい。

 

人口の推移を知るには「国立社会保障・人口問題研究所」のHPを見ろ。

日本の人口推計をやっているのは、国立社会保障・人口問題研究所だ。

幸いサイトを見れば、データをダウンロードできる。

都道府県別でも見られるし、世帯数も見られる。

国立社会保障・人口問題研究所

 

1億人を割り込むのは2053年。

昔は2048年に1億人を割り込むと言われていたんだけど、実はちょっと遅くなっていて、今は2053年と言われている。これ、出生率がちょっと良くなったからなんだよね。とはいえ、減少傾向には歯止めがかからないのは事実。だって、出生率が2を下回るのだから。

解説記事は日経がくわしいんだけど、有料会員のみか。まあ、「人口 2053年」でググってくれ。

www.nikkei.com

筆者は1975年生まれなので、2053年には78歳でかろうじて生きているかどうかなのですが、子どもたちは大変だろうな。

とりあえず、1990年~2040年までの人口動態をグラフにするとこんな感じ。

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日本の人口推計 単位(千人)

このグラフから読めることは、次回書こうかね。

 

 

 

 

今は2018年2月1日です

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今日からブログを書き始めようと思う。

未来についてのブログだ。

  • これから、人口はどのように変わるか。
  • これから、経済はどのような成長をするのか。あるいは衰退をするのか。
  • これから、技術はどのような進化をするのか。
  • これから、人の気持ちや行動はどのように変わるのか。

といったことを思いつくままに書き連ねていく。

できるだけ、データや事例を使って。